金山で遭難(福岡県)ルートにない登山道を登って道迷い遭難
はじめに 福岡県の金山(967m)で遭難 低山ほど迷いやすい典型
11月中旬ごろ朝6時くらいから単独で福岡県側から金山に日帰りで登りました。ガイドブックのバス停の表記が不正確で、正式なルートではない登山道を選択して遭難しました。
わたしたちは地図や水などの基本装備は万全でした、失敗は降雪に備えて軽アイゼンを持っていなかったことです。この季節には必須アイテムなのに大失敗でした。後々、後悔することになりました。リュックに6ミリの細引きが入っていたことは、とても役立ちました。
私は山登りを始めたばかりで、地図は持たずガイドブック1冊だけしか持っていませんでした。ザックの中身は水が入ったペットボトルが2本、携帯食料とレトルトカレー、携帯用ガスコンロとガス1本、食器、タオル、チリ紙、雨具、上着の着替えは装備していました。コンパス、高度計、気圧計、アイゼン、スパッツ、救急道具は持っていませんでした。
午前6時に国道263号線の上釜石バス停から登山道へ入り、花乱の滝を経由して林道終点まで行き、出発から1時間20分ほどでアゴ坂峠、それから山中キャンプ場から上がってくる道と合流して金山頂上で午前8時15分ほど、それからピストンで戻って午前11時登山終了という計画でした。
金山(967m) ガイドブックだけでは不十分な山域
登山口である上釜石までの道は、ほとんど国道ばかりで、車で移動する道は分かりやすかったです。アクシデントがあった場所は登り始めで、ガイドブックには上釜石バス停とあるのですが、右に行けばよいのか左に行けばよいのかまったくわかりませんでした。
失敗の原因は、ガイドブックだけしか持っておらず、地図を持っていなかったことと事前に調べ物をしていなかったこと、また今から登る山のイメージを持っていなかったことです。
そして本来とは違うコースに入ってしまい、分岐などで後ろを振り返って景色を把握していなかったことが遭難の原因となりました。
私は福岡県の金山へ登るために、上釜石バス停を午前6時頃出発しました。しかし、ガイドブックを見ると上釜石バス停を左に行けばよいのか右に行けばよいのかが書いてありません。とりあえずバス停から左に行って、山へと登る車道を行きました。そして道は行き止まりとなり養護施設の敷地に入ってしまいました。
後でわかったことですが、この敷地の左側に金山への坊主ヶ滝コースの入り口があったのです。
しかしそのことがわからず、一旦車道を引き返し、途中の分岐で西に行く林道へ入りました。その林道をまっすぐ行けば本来行きたかった花乱の滝コースへの登山道へ入ると考えたのです。
しかし途中で「⇒金山」と書いてある青い小さな札を途中で見つけてしまいました。そこは水路の工事中で、作業員の付けた足跡がかなりあって、登山道を見つけるのにかなりかかりました。
やっと踏みしろを見つけて、登っていくと無数に沢を渡る場面があり、踏みしろもどんどん薄くなってきました。そして一向に花乱の滝に着かないので、何回もガイドブックを見返します。
自分では本来の登山道を登っていると思い込んでいるために間違っていることにその時は気づいていませんでした。そのうちに林業関係者が付けた赤テープに導かれて、一つの尾根に入り込んでしまいました。
ようやくそこで違うコースに入っていることに気が付きました。そして振り返ると自分が来た道がわからなくなっていました。2時間ほど行ったり来たりを繰り替えし、そのうちに途方に暮れてしまいました。
それから30分ほど休憩して気持ちを落ち着かせ、ゆっくりと道探しをしました。結局遭難してから4時間ほどで林道に戻ることができましたが、遅い時間帯に登っていれば、家族から警察に通報されていたかもしれない出来事でした。
その後は本来のルートに戻り、時間がかかりましたが頂上を踏むことができました。帰路では薄く積雪がありアイゼンなしでは危険を感じました。危険な斜面では細引きを出して慎重に下りました。
この遭難は、ガイドブックひとつだけで地図を持たなかったこと、登山を始めたばかりでこれから登る山のイメージを持たなかったこと(沢沿いを行くのか、尾根道を行くのか)、分岐で後ろの風景を確認しなかったことがあげられます。
遭難を防ぐには山域がわかる大きい地図、等高線が付いた地理院発行の細かい地図を必ず持つこと、登山道のイメージを持つこと、分岐では必ず後ろの風景に確認をすること、遅い時間帯に登らないことです。また道に迷ったなと感じたときには、すぐにわかる場所まで戻ることが大事です。
編集者からのまとめ
よく思うのは、登山道の質です。例外もありますが、質が変わったと思ったら道をはずれていることが多いです。たとえ地図読みが間違った場合でも、「質」の変化で早い段階で気がつくことができます。急に難易度が上がった、細くなった、階段が欲しいところなのにないという変化です。分岐もなかったのに質が変化したと感じたら止まって下さい。そして質が変わった場所まで戻って下さい。そこで正規ルートが見つかることが多いです。
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